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寒めじかのみを使い味わい深い「宗田節」を造る

1月から3月のわずかな期間にしか捕れない貴重な「生の寒めじか(宗田鰹)」を、一本一本丁寧な手作業で仕込み、最高の節に仕上げる。
3月が始まったばかりのこの日、宗田節の原料となる寒めじか(宗田鰹)の今年最後の仕込みが行われた。
大釜で茹でられた寒めじかがズラリ。熱伝導を善くするため一本一本の腹に切れ目が施されている。
圧巻の眺めに見惚れていると「寒めじかの漁獲量は年々減少し、値段も高騰。その年に必要な量の寒めじかを確保するのが大変」と新谷商店の若女将 瞳さんが教えてくれた。
煮熟(茹で上げ)した寒めじかを一本一本手作業で節になる身と頭や骨、ワタを分ける作業。身を壊さず丁寧に素早くより分ける熟練の作業。黙々と続けられています。残った頭や骨やワタはその後、飼料や肥料に。
昔から「香りカツヲに、味メジカ」と、香りは鰹(カツヲ)節が良く、味は宗田節が良いと言われています。宗田節の味の特徴としては、旨味と深いコク、濃厚な香り。

1月から3月に獲れる宗田鰹を「寒めじか」と呼び、脂が少なく血合い部分が多くなります。鰹節で使用される鰹に比べ、宗田鰹は血合い部分が多くこの血合い部分がダシのコクを強く感じる部位として重要な役割を果たすとのこと。
しかし、宗田節だけでダシを取ると、味わう人によって血合い部分の苦みや匂いが感じてしまう場合があるため、鰹節やサバ節などの複数のだしを合わせることで、宗田節のコクが引き立ち、深い味わいを感じることが出来るとか。。。
(※筆者のように旨味や味わいが強いのが好みで特に気にならない人もおります)
寒めじかの身が並べられた鉄製のカゴを「タキナヤ」へ。「タキナヤ」とは寒めじかを焙乾するための部屋。これから4日から1週間かけ燻製と乾燥が繰り返されしっかり水分の抜けた保存性の高い節へと仕上がります。
仲睦まじい夫婦作業風景◎
焙乾が終わった節を綺麗にする作業。小さなかけらなどを取り除きます。
そしてここからまた天日で干すこと数日・・・一滴たりとも雨にあたってはいけないとのこと。猫さんにも要注意です!
天日で干されカチカチの宗田節。節のところどころ輝いています。また、節と節を叩き合わせるとカンカンと澄んだ音が。水分の無い証拠!見てるだけでも「旨味が詰まってる」感いっぱい。
実際に「めじか」で作った宗田節の成分調査をしたところ、うま味成分と言われるアミノ酸の仲間「タウリン」が、鰹節の約3倍含まれているとか。
ここからまた選別され、美味しく削られてiinoにやってくることでしょう。

一家総出で素晴らしい宗田節を造られる新谷商店さん。
冷凍の鰹を使って節を造る企業が多い中、新鮮な生の宗田鰹にこだわり節を造り続けています。
これからもその製法を守り続けてほしい。

farmers information

有限会社 新谷商店新谷 幸洋・瞳さん

高知県 土佐清水市 中浜 592
tel.0880-82-9220
◇ 主な生産品
宗田節
https://soudabushi.com