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大切に守り続けたい、凍り豆腐という価値

変わらぬ手仕事で、凍り豆腐という日本の知恵を守り続ける。伝統食を、次の世代へ。
昭和26年創業の信濃雪さま。今回、工場を訪ねさせていただき、日本の食についてじっくりお話を伺った後、いざ!工場見学へ。

「凍り豆腐づくりは、お豆腐づくりと同じなんです」――そう話してくださった信濃雪 新井さんの言葉から工場見学は始まりました。日本の伝統食を、これからどう次の世代へつなげていくか。効率や量ではなく、丁寧に、想いを込めてものをつくり続けることの意味を、たくさん見て・聞いてきました。

工場内では、ちょうど大豆を絞る工程の真っ最中。ゴトゴトと機械の音が響く中、搾りたての豆乳が勢いよく出てきました。
キラキラ澄んだ水の中に見えるのは、できあがったばかりの凍り豆腐専用に仕込まれた、生絞り製法による特別なお豆腐。

凍り豆腐は、単なる乾物ではありません。丁寧に作られたお豆腐が基となり、そこから幾つもの手作業の工程を経て、ようやく一つの食品として完成します。

「日本古来の食品を大切にすることは、日本人として大切なこと」。体にやさしく、栄養価も高い凍り豆腐を、もっと多くの方に知ってほしい――その想いが、お豆腐に込められているよう。
仕込んだお豆腐を専用の冷凍室でじっくりと凍らせていきます。

温度管理や期間もちろんのこと、今回実際に見せていただいた製造工程には、手作業でなければできない工程がいくつもありました。機械化が進む現代においても、最後は人の手と目による確認が欠かせない。派手さはないけれど、一つひとつの工程に確かな理由があり、その積み重ねが凍り豆腐の品質を支えています。

冷たく静かな冷凍室の中に、長年培われてきた技術と経験が、静かに息づいているよう。
凍り豆腐を量生産している企業は、全国にわずか4社しかありません。そして、その4社はすべて長野県に集まっており、全国生産シェアの実に99%を占めているといいます。信濃雪さんは、そのうちの約3%を製造。さらに驚くべきことに、希少な国産の有機大豆を使用し、輸入大豆を一切使わずに凍り豆腐を製造しているのは、信濃雪さんただ一社だけ(マイクロ企業を除く)。大量生産ではなく、素材と製法にこだわり抜く。その結果として生まれた稀少な一品が、この凍り豆腐なのです。
出来上がった凍り豆腐は、丁寧に裁断され、私たちがよく知る凍り豆腐の形へと仕上げられていきます。商品は、高品質を求めるスーパーなどへ届けられていきます。

「数を追うのではなく、クオリティを守り抜くこと」
効率を優先すれば、もっと早く、もっと大量につくることもできるかもしれません。それでも、一枚一枚丁寧に成形し、目で確かめながら仕上げていく。その手間こそ、凍り豆腐をただの乾物ではない特別な一品にしているのだと感じます。
いくつもの工程を経て完成した凍り豆腐。

しかし、全国的に見ると、凍り豆腐の消費量は年々右肩下がり。凍り豆腐と聞くと、多くの方が思い浮かべるのは「煮物」かもしれません。しかし実は、洋風や中華風の料理にもよく合う食材。信濃雪さんは、そうしたレシピ提案にも精力的に取り組み、一人でも多くの方に凍り豆腐のおいしさを知ってもらうための普及活動を続けています。変わらぬ想いでつくり続けられてきた凍り豆腐。これから先も、私たちの食卓に並んでいくことを願っています。

☆プチ情報:保存方法☆
凍り豆腐は直射日光に弱く、当たると表面に大豆の油が浮き、色が変色します。温度差の少ない、涼しい場所での保存がおすすめです。

farmers information

株式会社 信濃雪新井 健さん

長野県飯田市松尾明4927
tel.0265-22-1470
◇ 主な生産品
凍り豆腐・油揚げ
http://www.shinanoyuki.co.jp